ニュースレター 初回号

楽友協会、新代表取締役のお披露目会にて
日頃の感謝を込めまして今月よりメールを使って毎月情報をお届けします。どうぞご意見・ご感想をお寄せください。初回号は、楽友協会、代表取締役就任のお披露目会に参加したことについて、お話させていただきます。
さて、2020年9月からシュテファン・パウリ―氏(Stephan Pauly)楽友協会の取締役として就任され、パウリー氏のお披露目会にご招待いただき、参加してきました。会場は楽友協会のブラームスホール。コロナ禍のため人数制限があり、この会は同日2回に分けて開催されました。申し込みの際にも同伴者の名前や連絡先を事前に伝え、コロナ対策にも余念がありません。当日も係員がマスクまたはシールド着用でチケットの確認、座席も1メートルのソーシャルディスタンスを取って、座席指定がされており、さすがは世界の楽友協会、コロナ対策は模範的でした。もちろん聴衆側もマスク着用が義務付けられています。
開幕は金管五重奏の演奏から。ブラームスホールは2階建てになっており、今回は聴衆は全て1階の平土間に集められ、金管5重奏は2階のバルコン舞台側から演奏してくださいました。光り輝く音色でクライスラー作曲の「愛の喜び」を通常はバイオリンとピアノでの演奏を金管5重奏にアレンジされ、私たちを迎えてくれました。最近は自分が関わる演奏会以外で、クラシック音楽のコンサートに訪れる機会が随分と減っていましたが、こうやってまた会場で演奏を聴くことが、どんなに嬉しかったか!
その後、パウリー氏の紹介が、インタビュー形式で行われました。パウリー氏はフランクフルト歌劇場とモーツアルテウム財団で音楽監督を務められ、オペラとコンサート分野において、豊富な経験を積まれ、晴れて楽友協会の取締役に就任なさったとのこと。本来ならば、3月にウィーンへ引っ越しなさる予定が、ロックダウンのため6月に延期になり、まだウィーンに越されて3か月ということでした。この一番大変な時期に就任なさり、前例にない自体ですので、プログラムの組み方、どこのオーケストラや演奏家を客員として招待するのか、また演奏時間はどうするのか、集客はどうするのか、経済面はどうか、等の問題に直面し、色んな面で工夫されているようでした。
まずプログラムですが、なるべく小規模のものを選び、演奏時間も休憩なしで組めるよう、1時間前後。客員はEU圏内から。しかし、現時点でドイツ、スイス、ベルギー等からウィーンは危険地域と指定され、予定していたシュターツカペレ・ドレスデンの演奏を直前でキャンセルしないといけなくなったとか、新着情報もちらほら。気になる経済面ですが、やはり通常の半分以下の収入しかなく、しかも楽友協会は、民間企業ですので、国からの援助は得られず、これまでも民間の寄付で支えてもらっている割合も多かったようで、コロナ禍においては、その寄付もあまり期待できないそう。。。
ロックダウン後にまた楽友協会で音楽を提供できる喜びは大きいが、厳しい状況でもあるとおっしゃっていました。この状況は弊社も含め、世界中、業種に関わらず同じような状況であることを実感しました。パウリー氏の話がまだ頭に残っていたせいかその翌日、楽友協会とウィーン国立歌劇場のプログラムやチケットが購入できるかチェックしていたら、これまでだとすぐに完売しているウィーンフィルのコンサートチケットやオペラチケットがまだ残っていたのを目の当たりにして、悲しくもあり、反対に「いや、待てよ。普段なら入手できないコンサートやオペラチケットが入手できるのなら、今のうちにだ!」とポジティブシンキングで、コンサートやオペラに行こう!と思いました。
皆さんは、コロナ禍をどのようにお過ごしでしょうか?
時節柄どうかご自愛くださいませ。
ウィーンにて 2020年9月28日
香山 あずさ
Euroscope Incoming & Events Touristik GmbH