Newsletter 05.11.2020

ニュースレター 11月号

ウィーン市長選 2020

日頃の感謝を込めまして毎月ウィーンからの情報をお届けします。どうぞご意見・ご感想をお寄せください。今月は、10月11日に行われたウィーン市長選について、お話させていただきます。

さて、ウィーン市長選は、5年に一度行われ、16歳以上のオーストリア国籍所有者のみ、選挙権があり、投票できます。日本人からするとオーストリア国籍所有者のみ、というのは当然のことのように感じますが、なんとウィーンの住民の3分の1が、オーストリア国籍を保有していない、いわゆる「外国人」に値します。3分の1と言えば、相当の数です。ウィーン市長選では、毎回ウィーンで5年以上または10年以上住んでいる外国人にも選挙権を与えるべきではないか?という議論が展開されます。私も20年以上ウィーンに滞在しておりますが、今だ日本国籍なので、選挙権はありません。しかし、私のような住民がもし選挙権を与えられるなら、張り切って選挙に行くのになあ。。。と考えます。とにかく、今回のウィーン市長選もその3分の2の住民による選挙戦でした。

第一候補は、現在のミヒャエル・ルートヴィッヒ市長(民主党、赤)。選挙前の予想でも40%以上の支持を得ていた大本命。ルートヴィッヒ市長は、ウィーン市民の各家庭に一人25ユーロのガストロノミークーポンを市からのプレゼントとして送り、ウィーン市民がレストランで25ユーロ分、無料で食事できるようなコロナ対策も施行し、ウィーン市民もガストロノミーも感謝、感謝でした!

第2候補は、民主党と連立政権でウィーン市を盛り立てている緑の党、ビルギット・ヘバイン氏。

第3候補は、外国人排斥をモットーに掲げている右翼、自由党(青)のドミニク・ネップ氏。なぜかオーストリアでは意外と人気がある党です。。。

第4候補は、現在オーストリアの首相、クルツ氏が率いる国民党(水色、昔は黒色がイメージカラー)のゲルノ・ブリューメル氏。この方、大蔵大臣でもありますが、イビツァスキャンダル*1に関係があるのでは?という黒い疑惑付き。。。

第5候補は、ネオス(ピンク)のクリストフ・ヴィーダ―ケア氏。若手政治家。

第6候補は、やめておけばいいのに立候補したオーストリアの恥さらし、ハインツークリスティアン・シュトラッヘ氏(チーム・シュトラッヘ)。イビツァスキャンダルで首相補佐を辞任し、自由党を追い出された張本人でもあります!よくもまあ、こういったスキャンダルを巻き起こしたのに、わざわざ新しい政党を作り、政界に復帰できたなっとそれを認める回りに対しても腹立たしい限りです。

写真:左上(国民党、ゲルノ・ブリューメル氏)、真ん中上(民主党、現ミヒャエル・ルートヴィッヒ市長)、右上(自由党、ドミニク・ネップ氏)、左下(ネオス、クリストフ・ヴィーダ―ケア氏)、真ん中下(緑の党、ビルギット・ヘバイン氏)、右下(チーム・シュトラッヘ、ハインツークリスティアン・シュトラッヘ氏)

気を取り直して。。。                                    

ウィーン市議会は100議席からなり、また東京のように23区から成り立っているので、それぞれの区がどのような議席数になるのかも重要になります。さて、10月11日の選挙の日がやってきました。今回は、コロナ禍の影響もあり、かなりの方々が手紙での投票をされたこともあり、最終結果は3日後の14日に開示されました。また投票率も62、6%と低めです。

市長選の結果は以下のとおりです。

ルートヴィッヒ市長(民主党)41、6%で当選!、ブリューメル氏(国民党)20,4%、ヘバイン氏(緑の党)14,8%、ヴィーダ―ケア氏(ネオス)7,5&%、ネップ氏(自由党)7,1%、シュトラッヘ氏(チーム・シュトラッヘ)3,3%。

よってウィーン市議会議席確保数もこのようになります。                     

民主党(46席)、国民党(22席)、緑の党(16席)、自由党(8席)、ネオス(8席)。             チーム・シュトラッヘは全体の5%に投票率が達しなかったため、市議会議席は獲得ならず!

Stimmenanteile, VerŠnderung zu Wahl 2015 – SŠulengrafik; Die Auslieferung der APA-Grafiken als Embed-Code ist ausschlie§lich Kunden mit einer gŸltigen Vereinbarung fŸr Grafik-Pauschalierung vorbehalten. Dabei inkludiert sind automatisierte Schrift- und Farbanpassungen an die jeweilige CI. FŸr weitere Informationen wenden Sie sich bitte an unser Grafik-Team unter grafik@apa.at. GRAFIK 1150-20, 88 x 84 mm

各区結果は以下の通りです。(一番多く議席を確保した党のみ記載します。)                

1区、13区, 19区(国民党) 合計:3区                          

2-6区、9-12区、14-17区、20-23区(民主党) 合計:17区

7区、8区、18区(緑の党) 合計:3区

当然の結果と言えば、そうなのですが、これでまだ終了したわけではありません。民主党は過半数に至っていないので、どこかの党と連立政権を行うことになります。先日、ルートヴィッヒ市長は、第一回の協議を国民党、緑の党、ネオスの代表者と行いました。ちなみに、これまで5年間の連立政権は、民主党と緑の党でした。前市長のホイプル市長(民主党)は、4期20年に渡り市長を務めるという伝説の市長で、ウィーン市民の絶大なる人気を得ており、2018年に任期期間中ではありましたが、ルートヴィッヒ氏に後を引き継ぎ現在に至ります。ウィーンは、毎年、世界で住みやすい都市のTop5に必ずと言ってもいいほどランクインし、それは前市長ホイプル氏の努力の賜物であり、民主党と緑の党の連立政権は結果を出してきました。

写真:前市長ホイプル氏
写真:ミヒャエル・ルートヴィッヒ市長

さてルートヴィッヒ市長は、どこの政党と連立を組むのか? 11月半ばまで各党と協議を重ね、最終決定をするとのことです。

*1:イビツァスキャンダルについてはこちらのリンクを参考になさってください。

https://en.wikipedia.org/wiki/Ibiza_affair

コロナ禍はまだまだ続きそうですが、皆様、時節柄どうかご自愛くださいませ。
ウィーンにて 2020年10月29日

香山 あずさ

Euroscope Incoming & Events Touristik GmbH

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