ニュースレター 2021年8月

オーストリア世界遺産の採石場で開催される野外オペラ

日頃の感謝を込めまして毎月ウィーンからの情報をお届けします。どうぞご意見・ご感想をお寄せください。。さて、今回は、ブルゲンラント州にあります世界遺産の採石場で開催される野外オペラについてお話させていただきます。毎年7月になると、エスタハージ財団より公開最終リハーサルにご招待いただき、オペラを堪能させていただいております。ありがたいことです!ちなみに入場する際は、3G必須条件です。


*オペラ開演前

ウィーンから南へ下り、最大の湖、ノイジードラー湖の近く(アイゼンシュタットとルストの間)にある世界遺産にもなっている採石場があります。今でも少しですが、採掘しているそうで、この石は、ウィーンのシュテファン寺院にも使われたそうです。この採石場を、7月半ばー8月半ばの夏の期間、野外オペラ劇場として、うまく利用して、素晴らしい舞台美術と演出でそれぞれのオペラの醍醐味を引き出しています。今年は、プッチーニ作曲の「トゥーランドット」。物語の舞台は中国で、氷のお姫様と言われているトゥーランドットに恋するカラフという若者の恋物語です。詳しくは、こちらのリンクで内容を確認してください。最近の言葉を使うと、結構エモいです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88


*何やら東北のなまはげみたいな衣装

通常のオペラ劇場とは違い、野外なので舞台背景は変わりません。ですが、舞台の端から端まで細かい演出がなされていて、オペラを初めて見る方でも、目で見て楽しめるように創られていました。また、段々と暗くなるにつけ、映像と照明をうまく駆使されていて、幻想的な空間に誘われました。2012年には「トスカ」の音楽舞台賞を獲るなど、舞台美術、衣装にはかなり力が入っているようです。


*蓮の花がきめ細かく敷き詰められていたり、右手後方の採石をうまく利用されていたり、兎に角配慮がすごい!

*照明の使い方がうまい!

今回の公開リハーサルは、ダブルキャストの2番手の方々の演奏でしたが、トゥーランドット役とリュウ役の女性陣が、特に素晴らしい歌唱力と演技力で聴衆を魅了していました。野外の大きな舞台と客席なのに、これだけ演者の感情が伝わってくるのは、中々珍しいのですが、その中でも特にリュウの自殺するシーンは、自分も舞台に引き込まれ、泣きそうになるぐらいでした。舞台美術や演出だけでなく、歌手、オーケストラ、指揮者も素晴らしかったです。


*トゥーランドットが、後光をてらし照らしながら登場。

  ノイジードラー湖の畔には、メルビッシュ音楽祭が夏に開催されており、そこでは毎年オペレッタが上演されています。お時間許せば、採石場オペラを観覧し、アイゼンシュタットかルストに宿泊され、次の日、ノイジードラー湖を満喫し、夜はメルビッシュでオペレッタというスケジュールを組んでもいいかなあと思いますが、いかがでしょうか?この地域は、赤ワインの産地でもあり、エスタハージ財団でもワインを製造しており、いろんな所にワイナリーがあります。ワインのお好きな方は、ワイナリー訪問、自転車が好きな方は、ノイジードラー湖には素晴らしいサイクリングコースがありますので、サイクリングを満喫するなど、のんびりブルゲンラント州で過ごすのもいいですね!ご興味のある方は、お問い合わせください。皆様のご希望や企画に合わせたツアーのご提案をさせていただきます。


*ノイジードラー湖

ウィーンからは以上です。

2021年7月28日

ユーロスコープ

香山 あずさ

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